G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

2020年東欧トルコ車中泊の旅_⑮カチカル山トレッキングその2

f:id:imotokk:20210720212849j:plain

 

下山の途中、一昨日馬に荷物を載せて同行していたおじさんに

また遭遇した。

今度は違うおじさん達と、荷物をどっさり積んだ5頭の馬を引き連れて

登っているところだった。

 

そういえばキャンプ場のおじさんが、今日イスタンブルから19人

人がやってくると言っていたので、その人達の荷物だろう。

会社の研修グループかなんかの団体で、馬の大分後から

その一行遭遇した。

「こんな小さい子がリュックサック背負って山登りしてるのに

おじさん達ったら、あははは」なんて言いながら、一応断りを入れたあと

息子の写真をスマホでバシバシ取って通り過ぎていった。

 

f:id:imotokk:20210720212823j:plain

 

 花畑天国を下り続け、4時間ぐらいしてやっと麓の集落が見えてきた。

 

f:id:imotokk:20210720212846j:plain

 

もう少し早く着くと思ったけど、息子にとっては下りの方が退屈で

キツかったらしく、たまに泣き出しては機嫌をとりつつ、休憩も多く入れてたので

結構時間がかかってしまった。

 

f:id:imotokk:20210720213746j:plain

 

無事に下山を終え、車を取りに行き本日の宿泊先へ。

 

2件ある麓のペンション。

普段ならこの時期、満室で予約もとれない状況らしいけど

コロナのあれで、宿泊客は私達だけだった。

下界の宿より少し割高だけど、食事も付けてもらいゆっくり山の疲れを

癒すことができた。

 

f:id:imotokk:20210720224827j:plain

 

宿は家族経営で、英語が話せる息子が接客の一切を担当していた。

そして弟さんは料理担当で、おいしいトマトのスープを作ってくれた。

 

f:id:imotokk:20210720230229j:plain

 

そしてここでも出くわした、手編みの靴下。

f:id:imotokk:20210720230238j:plain

 

ここで見たものは、以前旅したイランで買い求めた靴下の模様と

全く同じものがあったのが興味深かった。

中央アジアから西に行くにつれ、いろんな編み物文化があるのを

ちょこちょこ目の当たりにしてきたけど、イランとトルコ、国をまたいで

伝統的な柄が伝わっているのだとしたら、それはそれで面白い。

 

ということで、いつものごとく「資料」という名目でここでも靴下と

それから珍しい手袋を買い求めた。

 

 食事を終えお茶を飲んでいると、ガイドもしているという息子さんが、

この山の観光地化の危機について話してくれた。

 

 

この山の醍醐味は、あの天国にあるような山道だ。

登山者にとっては、あそこを登ってゆくことが大きな喜びになってることは

間違いない。

それをどうやら、あの花畑をつぶして、私達がいたベースキャンプまで

道路を通して、車が行き来できるようにする計画がもちあがっているらしい。

もちろんこれを全力で阻止するために、国に掛け合って居るらしいが

果たしてその声がちゃんと届くのだろうか。

 

 

f:id:imotokk:20210720231324j:plain

 

先日訪れたアイデル高原と言う所も、もともとはのどかな高原だったの

だろうけど、麓からのアクセスを良くするため、高原の真ん中にドカーンと

大きな道路を一本通して、その周辺に土産物屋や宿泊施設を乱立させ、

観光客を呼びこんでいた。

 

5年後10年後、このカチカルエリアがそうならないことを本当に祈るばかりだ。

 

と言うことで、3泊4日のカチカル山トレッキング。

山登りに疲労はつきものだけど、間違いなくこの山は楽園登山だったし

もっともっと花が咲き乱れる季節に、もう一度来てみたいと思った。

それまで、どうかこの姿を保っておいてくれることを願いつつ

私達は山を後にしたのでした。

 

f:id:imotokk:20210720232505j:plain