2020年東欧トルコ車中泊の旅_⑬カチカル山への道
リゼを出てカチカル山へ向かう道中。
何故か私だけ熱が出るという体調不良。
山登りまで体調を整えたかったので、休み休み行くことにし、
途中見つけた綺麗な川で、3日間過ごした。
ここは山から流れてくるきれいな水が川となり、
その川がダムに到達するちょうどいい所で、人にもあまり遭遇せず
ゆっくり療養することができた。
川の水はとてもきれいで、大小様々な魚がうじゃうじゃと
泳ぐ姿がはっきり見える。
魚の数も相当で、息子は手づかみで魚を捕まえたりしていた。
ドイツでは禁止されている投網釣りネットを地元の釣り人がくれて
それが手に入ってからは、もう 入れ食い状態。
20匹は釣ったかな。
お陰で3日間、焼き魚三昧。
ちょっと骨が多かったけど、美味しい魚のおかげもあり
すっかり元気になった。
あの熱はなんだったんだろう。
体調も戻ったということで、私達はカチカル山の麓にあるユスリフという町へ
向かった。
舗装されてる道、ガタガタの山道などをひた走る中、
至る所で巨大なダムの建設が行われてるのが、やけに目についた。
その大きさは想像を絶するもので、数も多いことから国家を挙げて
ダム建設を急いでいるかのように思えた。
そういえば、昨日まで滞在していたダムで出会った地元民も
今はダムの上の方に住んでいるけど、水位を上げていくらしく
5年後には家がダムに沈むからどうしようみたいな事を言っていた。
数カ月前には、南東アナトリア地方で建設中のダムが完成し
1万2000年もの歴史がある古代都市が、ダムの底に沈んでしまった。
追いやられる住民というのは、総じて政府が建設した新しい町に
引っ越しをさせらるらしいけど、歴史や文化といった遺産を水の底に
沈めてでも、達成しなくてはいけなプロジェクトらしい。
全然関係ないけど、途中でまた泊まったダムのほとり。
ここで、私達はこんなものを水の底に放り投げてきた。
骨。
動物の骨が好きな息子が、道中で集めたもの。
一番右から、熊の、イルカ、牡羊の頭蓋骨と、イルカの下あご。。。
もちろん朽ち果てて、完全に乾ききっているやつなんだけど
家に持って帰るつもりでいたらしい。
しかし色々調べているうちに、熊とイルカの骨はEUに持ち込むと
大変なことになるらしいので、捨てる事になった。
ダムに向かって、頭蓋骨を投げる6歳児。
誰かに見られてやしないかと、ドキドキした。
もし、このダムが何百年何千年後に干上がったりして、誰かがこの骨を
見つけたら、「山になぜ、イルカがいたんだ!?」と大騒ぎになったり
するかな、なんて。
黒海のオジェルおじさんの庭に転がってた牡羊の骨は
スペアタイアの中に括りつけて、ドイツに連れて帰ってきましたが
これ以上増えないでほしい、骨コレクション。。。
金曜日、ユフリスという町に到着。
町のモスクでは礼拝が行われていたけど、ここでもソーシャルディスタンス。
モスクに人が収まらず、道路にはみ出してまでお祈りをしている
おじさん達の姿が印象的だった。
カチカル山の登山者は、この町を起点にしてさらに山奥へ進んでゆくらしい。
まずは食堂で腹ごしらえをして、山籠もり数日間分の食料を調達。
そしてここからさらに山道に入り、私達はカチカル山の麓に到着した。
続