G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

日本ードイツ大陸横断㊴ウズベキスタン_ヒヴァの後で

「最近人んちにいってないね。。。」

そういえば地元の人との絡みが、めっきり少なくなってきている。 

ヒヴァを出て世界遺産を一通り見終わってやはり思ったのは、

この旅が街から街へ ただ移動するだけのものだったら、

多分すぐ飽きてしまっていただろうなということ。
 

街と街、村と村、なんでもいいけどその間のどこかにぶらっと行ってみて、
 そしてそういう所で土地の人と触れ合うことが、なんだかこの旅の目的みたいに
 なってきていることに最近気付いた。
 
目的というか、そういう機会がないと、なんだかつまらないのである。

車で来ることは確かに大変だけど、車一つあるだけで体験できることが
 はるかに増える。
 
バックパックの旅も嫌いではない。

だけど今回車で来てみて、今までとは全然違う種類の旅をしている事が分かった。

そして意外に一番いいんじゃないかと思ったのは、ヒッチハイクバックパッカー

お金はかからないし、知らない人と仲良くなれるし、地元の人と触れ合えるし
 大抵誰かが家に泊めてくれるみたいだし。

公共の交通機関で移動するよりも、時間も場所も自分で決められるし

かなり面白い旅になると思う。

やろうとは思わないけど。

何人かヒッチハイクで旅してる人に会ったけど、やっぱ慣れるとやっぱ病みつきに
 なってしまうらしい。


話がとんでしまった。。。

まあ、そんな話をしていて、今日は面白い人に会えたらいいなぁと話していた矢先に

 ディーゼルを入れられるスタンドはないかと道を訪ねたおじさんの家に

早速に招かれた。
 
この辺では標準サイズなんだろうけど、私なんかからしてみたら屋敷かってぐらいの
 
でっかい家に住んでいた。
 
さっそくおじゃまして席につくなり、まるで用意してあったかのように

いろんな食べ物が次々と運ばれてきて、すぐにお腹いっぱいになってしまった。

りんごが庭先の倉庫にものすごくたくさんあったので

「りんごを作ってるんですね」 と聞いたら

「うん、りんごもあるし野菜もつくってるし米も作ってるよ、それに牛も
 羊も鶏もいるよ」と、完全自給自足の一家だった。

おじさんの2人の息子は都心にそれぞれ出稼ぎと勉強に出ていて、

その息子の嫁と2人の 孫娘、奥さんと自分の娘、ここにもまた女に囲まれ暮らしている優しいおじさんがいた。

そいえばおじさんに「日本といえば、おしんだよね」と言われびっくりした。

日本と言えばサムライ、ハラキリ、ヤクザが定番なのに、この「おしん」には
意表をつかれた。
 
ウズベキスタンでテレビ放送されていたらしく、おじさんはおしんのファンらしい。
 
「舞台の山形はお母さんの生まれ故郷です」と言ったら
 
「ヤマガタカンスケ、ヤマガタカンスケ!」と、嬉しそうに連呼していた。
 
えっとー、ヤマガタカンスケって、なに?

夕方になってそろそろおいとましようと思ったら、おじさんは結婚式に行かなきゃ
 いけないけど泊まって行けばと言われたので、お言葉に甘えることに。
 
夕食はプロフを作るというので、畑に材料を取りに行く。
 

お母さんはその辺にいた鶏をつかまえて、裏の方に持って行った。
 
帰ってきたら、首がなくなっていてそのあと見事な手さばきで羽をむしり
 あっという間に鳥丸一匹が食べられるようになっていた。
 
ちなみにこの国では多分、宗教に関係していると思うんだけど
 女性は動物を殺してはいけないことになっていて、鳥を絞めたのは
 おじさんだと言っていた。
 
他の国はどうなのか気になるところらしく、日本ではどうだドイツではどうだと
 聞かれ、私はできないけど女の人でも絞めますと言ったら相当ビックリしていた。

 
夕飯のお手伝い。
 どこの国でもそうだけど、人がどんなふうに料理をするのか見るのは実に楽しい。
 
この日作ったのは、にんじんと鶏肉と塩のみというシンプルなプロフだった。
 

まな板を一切使わないので包丁の使い方が独特で、見よう見まねでやってみるけど
 なかなかうまいことできなかった。

包丁も使えない、かわいそうな子と思われただろうな。

 


じっくり時間をかけて炊き上げたプロフは、出来立てなだけに最高に美味しかった。

夜はあったかーい部屋で眠らせてもらい、朝ごはんにこれまた美味しいスープを 頂く。

何故かディーゼルもタダでくれて、他にもお土産をどっさり持たせてくれて

 久々のお宅訪問は終わったのでした。

泊まった部屋。綺麗だったな。

           
「やっぱこういうの、だよね~」

帰り際2人の声が揃う。

次はどんな所でどんな人に出会うか楽しみだし、これが何時何処でなのか

分からないから 面白いのです。

次の行き先はムイナックという町。かつてアラル海の沿岸の町があったところ。
 
アラル海なんて全然興味がないんだけど、この旅の始まりもそうだったように
 
知らないとこでも、行けば行ったで面白いことがあるもんなんです。
 
だから最近は「つまんねいから、行くのやめようよ」とか言わないようになってきた。
 
行くのやめてじゃあどこに行くと言われても、やっぱり当てなど最初からないし・・・
 
そういえば、そうやって半年経ってここまで来ちゃったんだもんな~
 
あとどれだけ続くんだろうとか思うけど、終わりに近づいている事は確か。
 
すっかり忘れてたけど、やっぱ本格的に冬になってくると車の旅は厳しいかもねと
 
最近話し合っていることろ。どうなるか分からないけど、ヨーロッパに

近づいてきていることだけは、確かです。