G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

日本ードイツ大陸横断66_トルコ_イスケンデルン_カレ村2

メハメット家でのランチ後、風邪が完治していないせいか、
 ものすごく具合が悪くなってしまい、ソファーで横になる。

だけど、そんなことはお構いなしに、友達やら親戚やらが次々と

 この「珍客」を見にやってくる。

熱まで出始めて、はぁはぁ言ってるのにテンションの高い女たちに囲まれ

一緒に踊ろうという人まで現れる。

言葉も通じない上、なんとかジェスチャーで「眠りたい」ということを伝えるが

なかなか分かってもらえず、結局夜になって食事を終えて完全に就寝時間に

なるまで、休むことができなかった。
 

 

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翌日マーカスはウジェルのトマト栽培を手伝いに出かけ、

 私は強制的に女達と1日を過ごすことになる。

 私もトマトハウスに行きたかったのに・・・

まずお風呂に入りに行こうといわれ、

 ハマンみたいなところにみんなで行くのかと思ったら、

私を洗う係の女が待っていて 身包みはがされ、洗車するかのごとく

乱暴に洗われた。

 そのあと喉をやられるといけないからといって、

らくだ色のタートルネックのロンTを着せられ、

それからみんなが履いているようなダボダボのロングスカート、

その下に履く長ズボンもプレゼントだと言って着替えさせられ、

私が着ていた服は洗濯機に放りこまれた。

私を洗ったおばちゃん、ムネヴェㇽ(同い年)


そしてメインイベント。

 「日本人のお披露目会」が始まったのである。

まず頭にスカーフを巻かれ、なぜか靴まで履き替えさせられて

村中の家を1件1件訪ねる。

親戚から親友から息子の友達からとにかく隅から隅まで訪ね

私を見せに行くのだ。

最初の数件は、いろんな人に会って家の中の様子を見ることができたり、

家ごとに出すお茶やお菓子を楽しむことができたけど、

さすがに1日中それをやると、目が回るほど疲れてしまった。

体調だって、まだ万全ではなかった。

そしてこれがもう1日続いた。

翌日村を歩くと、昨日会った人たちがみんな声を掛けてくれる。

「コトミ~、コトミ~」。

ほんと冗談じゃなくて、私の名前が通りに響きわたる。

小さな子供も意味もなく、私の名前を歌を歌うように叫んでいる。

家に帰ると、イエテルもさすがにつかれてグッタリしているけど、

この村にプライバシーというものは殆どなく、

勝手にまた、私の見物客が家に押しかける。

マーカスはというと、誰からも束縛されることなくウジェルの手伝いを

ひたすら楽しんでいた。

寝る前に私が半分愚痴まぎれに今日の出来事を語ると、

「良かったね~、みんなにかわいがってもらえて」

と喜んでる様子。

・・・・違うんだってば!!

翌朝2階にあるベッドルームからベランダに出ると、早くもコトミコール。

私が起きてくるのを見ているのか誰か分からず、ちょっと怖くなる。

結局前の家に住んでいる女の子が、キッチンにある小さな窓から

私の名前を叫んでいた。

この日はパンを焼く日。

この村のパン焼き釜は2つしかなく、そのうち1個がイエテルの

家の庭にあって、近所の人が続々と庭に集まりパンを焼いていた。

このエリアで食べるパンも、ナンに似たようなもので平たくのばして

釜の内側に貼り付けて焼くというものだった。

月に何度かまとめて焼いて冷凍保存しておき、

食事の毎にこれを自然解凍させて食べるのである。



パン作りは楽しかった。

みんなそれぞれに集中してやらなくちゃいけない仕事があり

少しでも私から目が離れるので、

その隙に部屋に駆け込んで、ブログを書いたりしていた。

まあそれもつかの間、みんなの仕事が終わるとコトミ探しが始まり、

すぐさま見つかってしまいまた囲まれて連れ出されるのだった。