G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

日本ードイツ大陸横断_⑳オムスクへ

 

先週末に長らく居ついたイルクーツクを出発し、

早いものでもう1週間。

車の事件で色々協力してくれた人達にお礼行脚をしたあと、

数週間前にも滞在したナディアのダーチャに行くことになった。

彼女は事件の最初から最後まで、ホントに親身になって協力してくれて

私達がイルクーツクを去るその時も、思い出づくりにとお別れ遠足を

オーガナイズしてくれた。

あの事件での日々は本当に二度と経験したくないけど、あれがあったからこそ

こういう出会いがあったのだと、しんみりそんな事を思った。

 

二日ほど滞在して、出発の日。

おばあちゃんが庭で育てたプリプリの野菜を、手土産で沢山くれた。

森の中にある、このパラダイスのような庭を去るのは大分寂しかったけど

私達は旅の続きの日常に戻った。

 

3000キロのロングロード再び。

10日間ぐらいかけて目的地のオムスクへ行くつもりだったのだが

道中特に気に入った場所もなかったので、淡々と移動と就寝の日々に

没頭した。

大体は昼前には出発して、日が暮れる前の9時ごろまで走り続け、寝床を見つけ

夕食を作って寝るというスケジュール。

 

だから、特にこれと言った出来事は無かったんだけど、

強いて言えば昨日の夜の話。

ロングドライビングの後、ノボシビルスクという街からここオムスクの

中間ぐらいにある湖のほとりで寝ようということになった。

 

この一週間、特に日が落ちる寸前(ちょうど料理する時間)の蚊の集中攻撃には

ウンザリだったので、今日は蚊がいないことを願って

ここへやって来たんだけど、いつもよりひどい。

水辺でも時間が経って焚火でもすれば、大体いなくなるのだけど

窓越しに見る大量の蚊の大群を見て、外に出ることも不可能だと感じた。

目の前には超きれいな湖があるけど、諦めて水辺ではない所で探す事になった。

 

しばらくして、そろそろこの辺なら大丈夫かなと停まってみたが、

窓の外ではまた大量の蚊が待ち構えている。

この辺りはどこに行っても、蚊が大量発生するエリアなのかもしれない。

どこに行っても変わらない様子なので

仕方ないから完全に日が落ちるまで時間を稼ごうということになり、

再びずっと走り続けた。

 

日が落ち始めたので、ライトを点灯したらライトめがけて

何千匹もの蚊が、雨かと思うぐらいの音をたてて突進してくる。

いや違う。

私達が超過密な蚊の大群の中を突進しているのか。

パラパラパラパラーーー

どれだけいるの!!!

 

生まれて初めて聞く蚊の激突音に慄きながら、今日はすでに8時間以上

運転していることに気づき、もう埒が明かないので意を決して

その辺の原っぱで寝る事にした。

 

そして車を停めて、ルーフテントを物凄いスピードで開き、

すぐさま避難した。

のだが!!

車から出てドアを閉めるほんの3秒ぐらいの間に、大量に蚊が瞬く間に

車内になだれ込み、50匹ぐらいの蚊に車内が占領されてしまった。

 

同じくルーフテントにも出入りの際になだれ込み、避難したはいいけど

中の蚊を全部つぶさないと寝ることは出来ない

やはり30匹ぐらいはいた。

ようやく全部退治してやっと眠りについた矢先に、今度は嵐がやって来て、

テントがものすごい強風に曝され、私達共々飛ばされそうという

緊急事態発生。

すぐさまテントを畳み、車に中に避難だGOGO!!!
 
が、しかし!!!

車の中は、さっきなだれ込んでいた蚊の大群

しかも外は大雨大嵐。

ダブルでピンチーーーーー!

それでもテントは畳まなければならない。

無我夢中だったのと、強風だったので蚊がいることが気にならなかったんだけど、

何故かそのドタバタの最中、嵐がパタっとおさまった瞬間。

きっと風で留まっていることが出来なかった蚊たちが、また群れを成しはじめ

見た事もない蚊の大群がそこに現れた。

私達はもう、完全にいい餌食。

すきあらばどこからでも、鼻や口までに入ってくる。

服の上からも刺してくる。

しかも、デカイ蚊なので超痛い!

 

でもどうしても、車で脱出しなきゃいけなかったので

蚊と共に車に乗り込み、つぶしまくりながら夜道をさまよった。

 

一匹残らず潰し終わった頃は、もううっすらと夜が明け始めていて

結局朝になってやっと良さそうな場所を見つけ、眠ることができた。

 

起きてバンパーを見ると、隙間なく蚊の死骸がぎっしり。

それに刺されたところも数知れず。

 

そんなこんなで、昨日は予定外に走行距離が延びてしまい

今日着いてしまったという訳です。

蚊のせいで。

 

ルーフテント旅のリスクの一つは、蚊だということがわかった。

こんな時に限って、駆け込む宿もヒジョーに少ないので、

この先色々対策を考えなくては。

 

モスキート・ヘル。

この3000キロの道中で、唯一のハプニングでした。

 

ま、問題が起きなければ来週にはカザフスタン入国なので

また面白い事が沢山起きてくれればなぁと思ってます。