G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

日本ードイツ大陸横断シベリア道中⑥( バイカル湖東部)

そろそろテント暮らしも飽きてきたのか、先週はムショーに「宿」で寝たい欲が

出てきたんだけど、楽園のような場所を見つけるたびに、テントが高級宿に変わる。

毎度、ホテルじゃこの絶景はないでしょうという所に車を持っていって過ごしている。

先週は天気に恵まれ、ということは夕日にも恵まれ、星にも恵まれ、恵まれ過ぎの

1週間だった。

なかでも、日の落ち始めから30分ぐらいの間、空と雲と白い砂浜が淡い

ピンク色に染まりその空の色が湖面に移って、周りが全部ピンクになる時間帯がある。

オレンジじゃなくて、ピンクです。

これは(実際に見たことはないけど)オーロラに匹敵するんじゃないかってぐらい

美しく幻想的で、夢みたいな場所。

この夕日をもう一度、もう一度で、結局3日滞在した。

 

ちなみに、マーカスはある色においては色盲(色弱?)なので、

このピンクの空、砂、湖面はすべてグレーに見えるらしい。

だから私がこんなに感動している理由が、さっぱり分からない様子。

なんと残念な!!(だけど暗いところではフクロウのように良く見えるんだって)

同じ景色を見ているのに、違う色だなんて不思議だなぁ。




このバイカル湖は縦が630km、横が最大で80kmもあり、

透明度は最高で40メートルの深さまで達し、淡水の湖としては世界で1、2を争う

巨大な湖。

冬の間は完全凍結して5月になってようやく解けはじめるんだそう。

そんなんだから、今の時期の水が最高にきれいな天然ミネラルウォーター。

もちろんそのまま飲めます。飲まなきゃ損。


楽園砂浜キャンプ


別の日の夕暮れ時、北のほうに移動し浜辺で寝床を見つけさっそく夕食の用意をしていたら
中年の夫婦が近寄ってきて、話しかけてきた。

いつもだったら、ロシア語が少し話せるマーカスがいて話がスムーズに進むんだけど
薪集めに出かけて居て、この場は私一人、どうしようか戸惑う。

一番最初におぼえたロシア語
「私はロシア語が話せません」

これを言えば、大抵の人は一言二言なにか行って去っていくんだけど、

この夫婦の奥さんの方が

「大丈夫、私も日本語が話せません」

見たいな事を言ってくれて、それから先はもう安心。

言葉の壁が一気にサーッと消えていく。

こういう瞬間ってすごくうれしいんだな。

覚えたての単語と身振り手振りで色々話をした。

そのうちにふらっと帰ってきたマーカスと話をし始める。

翌日。

お招きに預かった彼らの家を訪ねに行くと、ありがたいことに、

ここでもバンニャを用意してくれて、ロシアの家庭料理と

バイカル湖で獲れた魚を頂き、ベッドまで用意してくれた。

昨日会ったばかりの旅人に、どうしたらこんなに手厚いもてなしができるのだろう。

うちに来て、風呂でも入って泊まってきなよ。っていうノリ。

ロシア人の習慣なのだろうか。

誰にでもそんな心を開いているのか、私達が珍しい旅人だから特別なのか?

いつも疑問に思うけど、いつもいつもお言葉に甘えさせてもらっているな。

 


次の日はバイカル湖国立公園のオフィスを尋ねた。

ここには、ドイツ人の女性が働いていて、聞くとマーカスと同じ東部出身で

話もかなりはずんでいた。

彼女はロシア人男性と結婚していて5年ロシアに住んでいる。

ロシア語も独学で勉強して、今ではペラペラだ。

五年前初めてバイカル湖に来て、2週間でここに越してくる決意をしたそうだ。

「この湖に来たら魂に触れる何かに出会う」という言い伝えもあるように、

彼女もここに導かれた一人なんでしょう。

今は、公園でのガイドをしたり翻訳をしたり森の絵を描いたりして暮らしている。

自分の好きなもがここにあっただけで、国を移し違う言葉を覚え土地の人たちに

溶け込んでいる彼女を、本当に素敵だと思った。

しかも同い年だし。

自分のこの先のことを少しずつ考え始めるいいきっかけになった。


彼女に公園の見所など色々説明してもらい、昨日は山に登った。

高さは1800m弱とまあまあの高さなので、余裕でしょなんて思ってたら
大間違い!!

最初の30分は妖精が住んでいそうな美しい森が続いたと思ったら
いきなり50度の斜面。

はい、ただの地獄。

これは帰りに看板を見つけて発覚したんだけど
始めに分かっていたら、私だけでも引き返していたでしょう。

そこを3時間のぼりつめて、さらに4時間岩を登る。

日本だったら絶対に鎖場になってるような絶壁に、鎖など一切ない。

頂上についてご飯を食べ終わったら、頭が割れた。

高山病だ。

3時間で1300Mも登れば、頭も割れるらしい。

もがきながらテントで一晩過ごし、翌日は下山。

今度は50度を下らなきゃいけない。

ただの地獄、再び。しかも登りよりも地獄。

膝も腿もガクガクブルブルして、麻痺してるみたく使い物にならなくなってきた。

使える筋肉がもう腹筋ぐらいしかなくて、最後は腹筋で歩いてる感じ。

(なんのこっちゃ!)

今日はいうまでもなく、ひどい筋肉痛で動けません。

筋肉痛というか、軽く事故ったのか、私!

山が嫌いになりそうな登山でした。

という事を、大体の登山で思うのは毎度の事です。

また行くんだろうけど。



来週はバイカル湖の南側、逆サイドに行きます。

観光客が大勢いそうな所で、久々文明に触れてみよう。


@おごさん  コメントありがとー!!元気でやってますよ。体痛いけど。。。
@なっつん  お金と時間があるうちに、旅はしといたほうがいいぞ。思ったときが今。
ゲーセン行ってる場合じゃないってば!あ、頂いたランタンかなり重宝しているよ。ありがとね。

伝言→ 6さん 君の寝袋はpodzにあるよ。来月fujiだね。