G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

日本ードイツ大陸横断52_アゼルバイジャン_ラヒジ

次なる行き先は、ヒナリックから見て山の反対側の村「LAHIC」(ラヒジ)。
車で山を超えられないので、一旦BAKUの近くまで戻ってまた山道に入っていく。
 
アスファルトの幹線道路もあるんだけど、この旅では時間もたっぷりあるので
あえて山道や旧道を走ることが多い。

そのほうが思いがけない出会いや、ローカルな体験が出来ることが多いからだ。
だけど、いい道に行っておけば良かったと思うこともしばしば。
この日も、次の日も山道ともいえないガタガタの道をひたすら行くが
たどり着くことができなかった。

結局大きな道に出ることに決めて走っていたある日、通りかかった村の
おじさんに声を掛けられる。

お茶でもどうかということでお家にお邪魔して、そのまま親戚の家に連れて行かれ
ご飯をご馳走になって、結局一晩泊まることになった。

おじさんは来月に行われるこの村の村長選の候補者の一人で(多分唯一)
近所の子供たちに自作のポスターを壁に貼らせたりしていた。

人口100人ほどの小さな村は、インフラの整備がまだまだ充分じゃなくて、
おじさんが村長になったらまずは道路を整備して、街灯をつけたいと言っていた。

おじさんのお父さんもまた昔は村長さんだったらしいけど
高齢になり障害を持つ身になってしまい、早く死にたい、生きてるのが
つらいと、震えながらつぶやいていた。

翌日、親戚のおばさんがお土産に焼きたてのナンを持たせてくれて、
村を後にする。

このナンが史上最高に美味かった!!

程なく幹線道路に出て、ラヒジに到着した。

ここは石造りの古い街並みが今でも残り、銅職人が沢山いる村である。

そして、村の入り口にあるゲストハウスには300年前の「ハマン」がある
とのことでやって来た。

ハマンとは日本の銭湯のようなもので、地元の人たちが今でも通うアラビック
スタイルの大衆浴場である。

早速ゲストハウスに行き、ハマン初体験!

石造りの建物の地下に入ってドアを開けると、モワーンの湯気がたちこめて
蛍光灯の青白い1本の光のみが、異様な雰囲気を作りだしている。

壁に沿って腰掛があり、足元にお湯の出口があるという単純な造りだったけど
なんといっても、このハマンの音響がすごい。

ちょっと一言喋るだけで、もうその言葉がDUBになってしまうぐらい良く響く。
「ハマンダブ」である。
鼻歌すらもダブになる。

極めつけは「ハマンスートラ」。
ハマンでお経をあげてみる。
「南無妙法蓮華経~」と、お題目や知ってる限りのお経を唱えてみたけど
どっかの坊さんの霊が乗り移ったんじゃないかってぐらい様になっていて
自分でもビックリした。
 
あと「ハマンホーミー」もすごかった。
 
「風呂エコー」なんて比じゃないです。


翌日は隣町までブラブラ散歩して、
次は古都と言われる「SEKI」(シェキ)という街に向かう。

雨が降っていて、街歩きをするような雰囲気ではなかったんだけど
バザールで久々に買い物をして、そのあとシムカードを買おうと思って
立ち寄った携帯屋さんでネットを使わせてもらう。

雨が酷いことになってきたので、ここのオーナーに泊まらせてくれないかと
頼んだら、最初はいいと言われたんだけど、仕事が10時までだからそれまで
待ってと言われ、車の中で3時間ぐらい時間をつぶしていた。

10時近くになり、彼に電話をかけたらやっぱりダメと言われてしまった。

早く言ってくれよ・・・

仕方ないから近くのレストランに駆け込んで安宿を紹介してもらう。
そして地元の人がよく利用する、民家の離れみたいな場所に宿をとる。

一泊600円ぐらい。

田舎のほうにくれば、宿代なんてこんなもんなんだ。

次の日は国境に向かって一直線。

アゼルバイジャン滞在期間10日間。

オイル産業国なだけあって、燃料が安かった。
しかも、どこにいっても値段が同じなのが有難い。
最後にタンクを満タンにして、灯油タンク7個分も全部満タンにして

次なる国「グルジア」にむかう。