G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

日本ードイツ大陸横断53_グルジアに入国


12日間滞在したアゼルバイジャンを出国して、グルジアに入国。

グルジアと言えば、去年あたりからロシアとの領土問題で戦争が始まりそう
だったところで、アメリカだか国連軍だかが軍事介入して、あやうく大事にはなら
なかったところ。

そのくらいの前知識しかなく、もしかしたら危険な地域がまだあるかも
しれないので、2~3日ぐらいでササッと走りぬけ、とっととトルコに行って
しまおう。

それぐらいの予定しかなかった。

グルジアに入国し、例のごとく荷物検査が始まった。

ウズベキスタン同様、車の中の物を全部X線にかけると言い出したけど
係員が荷物の多さを見かねて、それだけは免れた。

だけど昨日満タンにした7個分のディーゼルタンクおよそ140リットルを、
この旅に出て初めて文句をつけられた。

こんな大量の燃料は、安全上の理由で持ち込めないと言われてしまった。

捨てて来いと言われたけど、陸路の国境で車の行き来も多いので
買ってくれる人を探させてくれと頼んだ。

許可が下り、グルジアには一旦入国したけどまた出国して
アゼル側のゲートまで戻り、隅っこで臨時ディーゼル屋をオープンさせたのである。

日本で買ったあの赤い灯油ポリタンクを車の前に並べていたら、
すぐに買い手がつき、さっそくガソリンスタンドの店員さながら、
でっかいトラックのタンクに給油してあげた。

損も得もしなかったけど、捨てることだけは免れてホントに助かった。

そんなこんなで国境超えにエライ時間がかかってしまい、
結局夜中の12時ごろ無事に再入国。

疲れ果てていたので、その辺の原っぱに車を泊めて就寝。


翌日、首都「TIBILIS」(ティビリシ)に向けて出発。

荷馬車が走り、のどかな田園風景が広がっている爽やかな朝。

「ああっっ!ブタだ!」

思わず指さして叫んでしまった。

そうです、ブタの登場です。

しかも野放しされてる野ブタです。

ロシア以来、中央アジアアゼルバイジャンまではイスラム教国家なので

禁ブタだったけど、グルジアキリスト教徒の国なので、

ここにきてようやく豚解禁の運びとなった。

しかも道のあちこちで、ブタのぶつ切りを路上販売している。

ぶつ切りと言っても、一切れ5キロぐらいありそうな大きな塊で、

それがさらし首のように置かれたブタの頭部と一緒に並べられたり、

つるされたりしている。

ナマ肉の路上販売。

なんだかワイルドな国だぞ。

程なくしてティビリシに到着。

と言っても、何をしていいのか分からないので、とりあえず旧市街と

言われるところを散歩して、久しぶりに教会に行ってみたりした。

これもロシア以来の教会だったけど、やっぱ教会って素敵。

偶像崇拝が禁じられているイスラム教のモスクに比べ、

教会はフレスコ画やイコンやらが色彩豊かに描かれ、

私にとっては、美術館に行くより教会巡りのほうがよっぽど面白い。

古く傾いているアパートがぎっしりと詰まった古い街並みはどこか

アジアチックだった。

そして街の所々に「ハチャプリ」というチーズ入りのパンを売る店があって、

これを食べながら歩く人がたくさんいた。

試しに食べてみたけどチーズがめちゃめちゃしょっぱかった。

日も暮れだしたので、街から出て寝るところを探しに出かける。

次の目的地は「GORI」というところ。

ここはあのソ連の独裁者、「スターリン」の誕生した街である。

どの道通るところだったし、スターリンミュージアムもあるとのことだったので

今日は街の手前のどこかで泊まって、明日ちょっと寄ってみようということになった。

幹線道路をひたすら走りゴリに向かう。

途中に同じ家が何百軒と建っている集落を見かける。

紛争地域からの避難民の家だろうか。

まだまだこの国では、軍事的緊張がある事を実感した。

それにしても風が強すぎて、なかなか寝床を見つけることが出来ない。

森らしきものも見当たらず、ずーっと走っていたらとうとうゴリに

到着してしまった。

街に入ればなおさら場所を探すのが困難になり、

ホテルなんて1泊40ドルもするし

やっと見つけた場所も、人が後から来てしまい、

仕方ないからロンプラに載っていた

「ホームステイ」が出来るという人の家に向かってみる。

このガイドブックも最新版のものが4年前のものなので、

この住所が存在するのか分からなかったけど、人に聞きながら家探しを

始めた私達であった。