G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

日本ードイツ大陸横断旅㉜タジキスタン_デゥシャンべまでの道

 

首都デゥジャンベに向かう途中、道のあちこちに地雷が埋まってる地域がある。

内戦はとっくに終わったけど、まだまだ危険地帯は沢山あるみたい。

私たちが知らずに入ろうとした川辺も地雷地帯だったけど、運良く消えかかってる

「地雷!」マークを見つけて、入らずにすんだ。

危なかった~。

 

大抵地雷が撤去されている地帯は、海外のボランティアとか何かの団体が撤去作業に

加わっていて、安全とされる所には英語の看板が立っている。

その日泊まったところはその作業現場の跡地だったんだけど、大量の地雷やら

小型爆弾の残骸が残されていた。

内戦が終わった後も、地元の人はこの地雷と隣り合わせに暮らしている悲惨な事実。

今でもタジク人による撤去作業は行われているみたい。

安心して暮らせる日が1日も早く来ますように。。。

翌日、峠の途中の検問所でデゥジャンベまで行くというヒッチハイカーを拾う。

ベラルーシから来た彼は、3ヶ月間で中央アジアをヒッチして周るらしい。

前にモスクワからエジプトまでヒッチハイクで行ったこともあるくらいのツワモノ。

今回の旅は彼にとってものすごく素晴らしい毎日のようで、

ロシア語圏で言葉が通じるというのと、さらにベラルーシソ連から独立した

国ということもあり、行く先々皆が兄弟のようにもてなしてくれると言っていた。

私たちもけっこう色々もてなされてるほうだけど、「ゲスト」としてであって、

彼の言う「兄弟のように」というのとは全く別物だと、彼のとった写真を見たり

話を聞いたりして思った。



首都に近づくにつれ、老人の格好が仙人みたくなってくる。

白い立派なあごひげを蓄え、長いガウンみたいなのを着て帽子の上にさらに

ターバンまで巻いている。

パミールを抜けたこともあって、谷の言葉ではなく、タジク語が聞こえるように

なってきた。

例のシールチャイも出てこなくなった。

結局ホーローグから4日かけてデゥジャンベに到着。

相当な悪路だったけけど、街から100kmぐらいのころから

アスファルトの道に変わった。


ついでに警察の数も多くなり、この日というかこの朝の2時間ぐらいの間で

計7回も警察に止められる。

全ポイントで難癖つけられ金を要求されるが、今回はロシア語がちゃんとできる

彼を載せているので、軽く切り抜けられた。

べラルーシの彼とはここでお別れ。

モスクワに住んでいるというので今度絶対遊びに行こう!

だけど、車でだけは来ないでねと言われた。

速攻でパクられるらしいです。

さてさて、今回デゥジャンベ訪問のメインイベント。

隣国ウズベキスタンのビザと、その先再度入国するカザフスタンビザの取得。

開館時間内にウズベク大使館に行ったけど、馬券売り場のごとく地元の人

しかも男性でごった返していてその日は取り合ってくれず、

翌朝一番乗りで行くことに。


カザフ大使館は1日おきにしか開いてないので、出直すことになった。

通りがかりの食堂でラグマンという中央アジア風のうどんを食べて(これが大当たり!!)

さっそくこの前ワハンで出合ったグリャを訪ねに行った。

マーカスが彼女の家のドアをノックしたとき、ちょうど友達と私達の話を

していたらしくドアを開けたら私達がいたので、相当ビックリしていた。

家にはダンナさんと娘とお姑さんと姪っ子の5人暮らし。

団地みたいなところで1ルームに5人とは超きつそうだったけど、

それでも暖かく迎え入れてくれ、その日はキッチンで眠らせてもらった。



夜は一緒に料理したり、どこの世界でもある嫁による姑のへの愚痴を聞いてあげたり、

結婚式のビデオを見せてもらったりした。

これがめちゃめちゃ面白かった。

特に去年ダンナの弟が挙げた結婚式は見もので、1度顔を見ただけの女性と結婚する

というお見合い結婚とも言えない結婚式。

もちろんイスラムの伝統に則って行う儀式。

そろそろ結婚する時期だけど彼女がいないので、叔母にたのんで紹介して

もらったらしい。

成立するのが不思議だけど、これも宗教観の違い。

今は子供も一人生まれて幸せに暮らしているらしい。


翌日開館30分前にウズベク大使館に行くが、すでに扉の前には

人だかりが出来ていた。

と言っても、私らみたいな旅行者じゃなく、タジキスタン人の集団。

隣の国なのに入国するには、やはりビザがいるらしい。

扉が開き今度は一斉に受付まで猛ダッシュ

私たちは幸い事前に用意した招待状があったので、難なく当日の受け取りができた。

ウズベキスタンのビザ申請はホントに面倒だと前情報があったので、

事前に色々手を尽くし招待状を取得しておいた。

これがあるのと無いのでは対応が全然ちがうらしく、同じくそこに居合わせた

旅行者は5日間毎日通ってるけどまだもらえないだとか、3日で出来るよう

手数料を払ったのに5日たってもまだもらえないだとか、トラブルが続出の

ようだった。

ビザの値段がこれまた安くて、日本人の私は18ドルでドイツ人は65ドル。

ちなみにキルギスは私は無料、マーカスは120ドル。

今回申請したカザフスタンのビザもタダだった。

ロシアで取ったカザフビザは40ドルもしたのに・・・何でだろ?

国籍が違うだけで払う値段も違うなんておかしな話だよな~。

私は随分得をしているみたいだけど。

日本のパスポート、最強!

大使館や領事館は大きな街にしかないから、ビザ待ちの時間が一番こまる。

だけど今回は近くにグリャがいたり、同じく車旅をしているドイツ人とフランス人の

老夫婦と知り合いになり駐車場で寝泊りしたり、その駐車場の管理人の兄ちゃんと

タジキスタンミュージックのDVDを見まくったりと、退屈することは無かった。

 

そして同じ食堂に4日連続で通い、同じものを連続で食べるなど、私にしては珍しく

都会を満喫しデゥジャンベを後にした。