G2DOKKA-WANDERLUST

ドイツ発。親子3人車中泊放浪旅のキロク

日本ードイツ大陸横断 ㊹旅暮らしのこと

アゼルバイジャンに着く前に。。。

中央アジアの旅が終わりました。
それと旅に出てあっという間に半年が過ぎました。

今日はちょと旅生活のことと、中央アジアの総まとめ的なことをしたいと思います。

今となってはこの生活が普通になってしまったけど、やはり最初は大変だったなー

家を持たず旅する暮らしなんて、面白いに決まってると思っていたけど、
実際やってみると大変なことだらけ。

もちろん家と同じ状況なんて望めないわけだけど
やはり、これがあったらあれがあったらと、無いものについて考えることが
多かった。

これは自分を苦しめるものでしかなく、時間の無駄でもあった。

今あるもので、どうしようかと頭を切り替えられるようになって、
だんだんとこの生活が楽しいと感じるようになってきた感じがする。

この旅は、
旅の日常というよりは、生活の延長線上に旅があるという感覚。

定住していないというだけで、日々の営みは家に居てする事と
勝手は違うが、さほど変わりはない。

朝起きてご飯を食べる。
寒い日は火を起こしてお湯を沸かし、食べ終わったら食器を洗う。
移動する日は、布団を片づけて、ルーフテントをしまう。
夕食は日が暮れる前に準備を始める。
マーカスが薪を集めに出かけ、私は食事の準備にとりかかる。
食器を洗って拭いて寝る。
晴れた日には洗濯をして布団を干す。

移動しながらなので、後回しにできないことが多い。
洗濯なんかは、乾くまで移動できない時もあったり。
 
日本に住んでいれば、あって当たり前の冷蔵庫や洗濯機も
便利なものだなんて考えたことがなかった。

だけど今の生活にはないから、どうやって食品を保存するのか
どうやって洗濯するのか、そんなことを考えたのも生まれて初めてのような
気がする。

電気が無かった時代の人たちは、どんな生活していたのだろう。
 
電気があっても冷蔵庫や洗濯機は、この旅で見てきた辺境に住む人達にとっては
今でもまさに三種の神器
 
そういう人たちの暮らしを見させてもらって、ヒントを得る。

例えば洗濯。
コインランドリーなんていうものに、最初から期待していなかったから
最初の頃は、どうやったら「洗濯機」のように効率良くキレイに洗えるか。
それが課題だった。

そこからしか発想できないので、でっかいバケツを買って
丁寧に洗剤でもみ洗いし、大量に水を使い、洗濯に半日は軽く費やしていた。
もちろん手洗いなので超重労働。
洗うのもそうだけど、絞るという作業が特に大変。

寒い日なんかは火を起こす事から始めなくちゃならない。
洗濯するのが、苦痛以外の何物でもなくなる。

そこでもっと楽な方法を考える。
そういえば昔の人もそうだけど、この中央アジアの国の人も都市部を除けば
洗濯機なんて、持っている人の方が少ない。

どうしてるかというと答えは簡単。
洗濯する回数が少ないだけだ。
だから、着ている服が多少服が汚れているのは当たり前。

洗濯機が無いのに頻繁に服を取り替え、洗濯機があるのと同じぐらいのペースで
洗濯する考え自体、ナンセンスなのである。

これがバックパックの旅なら、持てる荷物の量も限られてるので
極力服を少なくして、洗濯は宿泊先でするとか想像できる。

だけど車の中にへたにスペースがあるもんだから、色々と欲張ってしまい
その結果、持ってきている服や物の多さ、そしてその無駄さに気付く。
 
結局便利だとか、これはあったほうがいいという物ほど、実は無くても
いい物なんだということが分かった。
 
あと「いざとなったら使う」という、その「いざ」は滅多に来ないし、
そんなのなくても生きて行ける。
 
服が汚いのにも、もう慣れた。
 
今では洗濯は綺麗な川や湖があったらやるし、なければやらない。

洗濯については「ランニングウォッシング」という、ものすごい
洗濯方法をあみ出した。

その名のごとくバケツの中に服と水を入れて、その中を走るという
ものなのだけど、これが手洗いよりも良く落ちる。

水が綺麗になるまで、何度も何度も水をとりかえて走り続けるのだ。

「もみ洗い」「擦り洗い」ならぬ、「走り洗い」。

30cm四方ぐらいの小さいスペースでダッシュするのは最初はものすごく
難しかったけど、今となってはお手の物。
運動にもなって一石二鳥。
だけどこれは夏季限定。
今はもう出来ないので、これからどうしようか考え中。

風呂についても同様。
 
ロシアにいる時は、公共のバンニャなどもあったので
そこそこの頻度でシャワーを浴びる事ができた。
 
しかし中央アジア、特にキルギス以降はバンニャの文化があまりなく
週イチがいいところだった。
毎日風呂に入る日本人からしたら、ありえないことだ。
 
頭は痒くなるので、3、4日に一度という具合だった。
 
ちなみに、頭を洗うのに必要な水は5リットルぐらいで充分。
晴れて暖かい日は、すかさずお湯を沸かして頭を洗います。
ヤカンがシャワー代わり。
ソーラーシャワーなるものを持っているけど結局一度も使っていない。

ヤカンで充分。

そんな感じの生活なんだけど、普通の暮らしに戻っても走り洗いを
しようとは思わないし、風呂だってちゃんと入ります。

期間限定と分かっているから、こういうことが楽しめるんだと思う。
 
だけど、世の中こういう生活をしている人の方が実は多いのではないかと思う。

いかに自分が恵まれた環境で暮らしているのかが良く分かる。

洗濯機がない家の主婦の家事は大変だ。
タジキスタンで訪ねた家の奥さんは、家族の洗濯を二日掛かりでしていたっけ。

結論。

洗濯機は偉大なり。

あれ、なんか違う?